コロナ禍による企業の業績不振による倒産、飲食店の閉店など不況が続く昨今。
私も企業勤めしながら、緊急事態宣言が出てしまって、また給料が下がるなと肩を落とすうちの1人です。
そして、まだ企業が存続しているのでありがたいのですが、仮に企業が倒産してしまったら大変なことになるだろうと日々感じながら生活しています。
その中で、JAL上級会員の皆様が気になっているのはJALの業績不振による統合の話ではないでしょうか?
もちろんすぐに倒産してなくなってしまう会社ではないことは2010年の会社更生法による公的資金注入による経営者を刷新した企業再生を思い出せばわかることかと思います。
ただ、やっぱり気になってしまいますよね。
ですので、コロナ禍でもせっせとJGC回数修行にチャレンジしてサファイアに到達して晴れてJGC会員になった私が、まとめてみましたのでお茶飲みながら参考までにご覧ください。
2021年1月18日に、週刊ダイヤモンドでも取り上げられておりましたので、ホットなニュースかと思います。
JAL上級会員が心配するJALとANAが統合する可能性
JALとANAが統合する可能性に関しては、ダイヤモンドの記事で竹中平蔵氏が語っている様にゼロではないのかもしれません。
「一度経営に失敗した日本航空(JAL)は国内線に特化し、国際線はANAホールディングス(HD)1社に統合するというのが再編の在り方だと思います。国際線と国内線を接続する必要があるので、ANAHDは国内線もやる。こうしたことをよくよく考えて健全な競争ができるようにルールを作る必要があります」
2021年度通期でJALは最大2700億円の損失を見込んでおり、新型コロナウイルスの影響で航空需要の低迷が続いているためで、これが実現になれば2012年の公的資金注入後に再上場してから初めての赤字になります。
もちろんコロナウイルスの感染状況や旅客需要の回復度合いによって多少は変動があると思うが、2021年1月に緊急事態宣言も出て、国際線の回復も見込めない今となってはおそらく最大2700億円の赤字になる可能性が高いです。
Bloombergでは、JALが経営再生してから大切にしてきた「雇用の死守」という姿勢が今後コロナが長期化した際に「ある意味賭けだ」ということで紹介されています。
一部Bloombergの記事抜粋ですが、JAL再建の立役者の京セラ創業者の稲盛和夫氏がJALの企業理念を「全社員の物心両面の幸福の追求」と定め急激に収益力を回復させ再上場まで漕ぎ着けた経緯からJALとしては、「雇用の死守」を大切にしていることがわかります。
「雇用は絶対に守ってほしい」。JALの大田嘉仁元専務執行役員は今年春、赤坂祐二社長にメールを送った。新型コロナで移動が制限され、航空業界への深刻な影響が見込まれたためだ。大田氏は2010年に会社更生法を申請したJALの会長に政府の要請で就任した京セラ創業者、稲盛和夫氏の右腕としてともに再建を主導した。
仏教徒でもある稲盛氏はJALの企業理念を「全社員の物心両面の幸福の追求」と定めて社員の信頼を勝ち取り、急激に収益力を回復させて破綻から2年半余りで再上場にこぎつけた。コロナ禍で巨額の赤字を見込む中、希望退職を公表したANAホールディングス(HD)と違ってリストラには手をつけていない。
JALは赤字になったとしてもすぐにリストラに着手しないのは、一度会社更生法で破綻して再生した教訓からではありますが、今後さらに経営悪化した場合は、最悪ANAとの統合も視野に入ってくる可能性はあるかもしれません。
ただ、統合で1社独占になると価格競争も起きにくくなり、弊害も出てきてしまうのと、まだANA自体も余力があるので、すぐには統合ということにはならないはずです。
JALとANAが統合するのは国際線?
仮に、JALとANAが統合するとすれば全て合併になるかと言えば、そうではないかもしれません。
竹中平蔵氏が考えているのは、国際線の統合です。
竹中氏に言わせれば、「10年前、民主党政権は公平性のある競争政策や産業強化の観点がないまま、JALに対して変な救済をやった。つまり今のJALはげたを履いており、極めてアンフェアな状況にある」「あのとき政府がちゃんとしていれば、JALは国内線とせいぜい近郊の国際線に絞り込みが行われ、ANAに国際線のほとんどを集約してアジアの中で勝てる国際的な航空会社をつくるという政策になったはず」という。
このほかにも、Business Journalでも同様な憶測が出ています。
事実上、国内の大手航空会社は1社だけになってしまう。国際線のみ統合して「JANA」、あるいは「新ANA」とし、国際、ANA国内、JAL国内の3社にする案が水面下で進行している、との情報もある。
ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2020/05/post_156723_3.html
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確かに国際線のほとんどを集約するという案が出るのもわかるのですが、JALとしては再建する際に不採算路線をやめて採算が取れる路線に絞り込んだ経緯があり、この10年でANAに国際線の路線数で大きく差はつけられました。
ただ、国際線の数が絞り込まれている分、支出も減っていることが功を奏して雇用を守ることにもつながっているので一概にJALだけ弱体化して、ANAの国際線と統合すべきという話にはならないはずです。
JALとANAが統合することで独占禁止法に触れないのか?
JALとANAが統合することで独占禁止法に触れないのか?という話題は、2010年の会社更生法に基づく再建の時にも話題になった話です。
その回答としては、2021年1月18日のダイヤモンドの記事の中に記載があります。
航空会社の経営統合に伴う独禁法対応を複数担当してきた米ベーカー&マッケンジー法律事務所の井上朗弁護士によると、独禁法において「両社の国際線事業の統合はできる」。
具体的には「国際線という大きなくくりではなく、路線ごとに市場を独占しないかを判断していくことになる。基本的に路線の売り上げシェアで5割を占めていなければ問題ない。5割以上を占めている路線があっても超過分の発着枠を放棄すればクリアできる。審査は日本と路線を結ぶ国の双方の当局で受けることになる」という。
国際線であれば、JAL、ANA以外の航空会社もあるので、路線ごとのシェアで5割を占めていなければ問題ないなら、独占禁止法には至らないということです。
ちなみに、国内線も路線シェアが5割を超えてしまう場合であっても、国が独占禁止法から除外するという特別法を国会で通してしまえば、できなくはない様ですが、それを言ってしまうとなんでもありになってしまうので、日本にとって良いのかを熟慮した上での統合判断がのぞましいですね。
どちらにしてもコロナが続く限り統合しても、統合しなくても結論、飛行機を使う人の回復が見込めないので、暗雲立ち込めてますが、JGCを目指すのであれば、今であれば色々とキャンペーンを今年も打ってもらえるのでは?と思いますので、逆風を逆手にJGC修行の計画を練ってみることをおすすめします。